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VMware Workstation Pro 16にWindows11をインストール(Win10からアップグレート)

(更新) (公開)

はじめに

Microsoft のサイトから Win11_Japanese_x64v1.iso をダウンロードして、VMware Workstation Pro 16 上にインストールされた Windows10 Pro x64 を Windows11 にアップグレートしてみました。今回、いろいろ注意点がありましたので、そちらの紹介と全手順を書きます。


2021 年 12 月 10 日現在では、Windows 11 Pro 21H2 (Build 22000.318)がインストールされました。


本記事情報の誤りにより何らかの問題が生じても、一切責任を負いません。


ホストPC(物理PC)が TPM に対応している必要はありません。
ただし、実施前に以下の事を確認してください。満たしていない場合、そのまま進めても無駄になると思われます。
・CPU が2コア以上あること。(設定できること。)
・メモリが 4GB 以上あること。(設定できること。)
・HDD の空き容量が 20GB 程度あること。(正確には分かりませんが、おそらく、今回のような手順で最低そのくらい必要だと思います。)
・スナップショットが無いこと。(スナップショットが1つでもあると、暗号化できません。クローンを作成でスナップショット無しにすればOK)
VMware Workstation Pro 16 のバージョンが 16.2 以上であること。(アップデートできればOK)
VMware Workstation Pro 16のバージョンが16.2以上


目次(大まかなアップグレード手順)
1.MBR→GPT
2.レガシー BIOS→UEFI
3.仮想マシンの暗号化
4.TPM デバイス追加
5.レジストリ追加
6.インストーラ起動


【ホストPC検証環境】

Windows 10 Pro 64-bit 2004(Build 19041.450)

 VMware Workstation Pro 16 16.1.1 build-17801498

 VMware Workstation Pro 16 16.2.1 build-18811642(作業中に更新)

CPU: Intel(R) Core(TM) i7-6700K CPU 4.00GHz 4.01 GHz

【仮想マシン環境】

Windows 10 Pro 64-bit 20H2(Build 19042.1165)

Windows 11 Pro 21H2 (Build 22000.318)(作業後)

 VMware Tools 10.1.6.4793 (build-5214329)

 VMware Tools 11.3.5.31214 (build-18557794)(作業中に更新)

CPU: Intel(R) Core(TM) i7-6700K CPU 4.00GHz 4.01 GHz 1チップ2コア

Mem: 4GB

HDD: 60GB


MBR→GPT

レガシー BIOS かつ、MBR になっている場合、レガシー BIOS→UEFI、MBR→GPT にする必要があります。
GPT にしないと、UEFI にできないため、まずは、MBR→GPT の作業を行います。

【 MBRとGPT 】

ハードディスクのパーティションを管理する仕組みの違いです。GPTの場合、UEFIをサポートしています。

【 UEFI 】

UEFIは、従来のBIOSに代わるものです。従来のBIOSでは、Windows11をインストールできません。

cmd.exe管理者権限で起動します。

diskpartlistdiskコマンドで、GPT 化対象のディスクを確認します。

C:\WINDOWS\system32>diskpart

Microsoft DiskPart バージョン 10.0.19041.964

Copyright (C) Microsoft Corporation.
コンピューター: WIN10PRO64

DISKPART> listdisk

  ディスク      状態           サイズ   空き   ダイナ GPT
  ###                                          ミック
  ------------  -------------  -------  -------  ---  ---
  ディスク 0    オンライン            60 GB      0 B

今回、ディスク 0 が処理対象です。

ディスク 0 オンライン 60 GB 0 B *

のように、右端に * が記載されている場合、既にGPTになっていますので、この作業は必要ありません。


mbr2gpt /validateで、変換できるか確認し、mbr2gpt /convertで変換します。
ディスク 0 が対象のため、/disk:0です。

C:\WINDOWS\system32>mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFULLOS
MBR2GPT: Attempting to validate disk 0
MBR2GPT: Retrieving layout of disk
MBR2GPT: Validating layout, disk sector size is: 512 bytes
MBR2GPT: Validation completed successfully

C:\WINDOWS\system32>mbr2gpt /convert /disk:0 /allowFULLOS

MBR2GPT will now attempt to convert disk 0.
If conversion is successful the disk can only be booted in GPT mode.
These changes cannot be undone!

MBR2GPT: Attempting to convert disk 0
MBR2GPT: Retrieving layout of disk
MBR2GPT: Validating layout, disk sector size is: 512 bytes
MBR2GPT: Trying to shrink the OS partition
MBR2GPT: Creating the EFI system partition
MBR2GPT: Installing the new boot files
MBR2GPT: Performing the layout conversion
MBR2GPT: Migrating default boot entry
MBR2GPT: Adding recovery boot entry
MBR2GPT: Fixing drive letter mapping
MBR2GPT: Conversion completed successfully
Call WinReReapir to repair WinRE
MBR2GPT: Failed to update ReAgent.xml, please try to  manually disable and enable WinRE.
MBR2GPT: Before the new system can boot properly you need to switch the firmware to boot to UEFI mode!

いろいろ言われますが、問題ありません。


【注意点】

cmd.exeを管理者権限で起動していない場合、以下のようにエラーになり、実行できません。

C:\Users\admin>mbr2gpt /validate /disk:0 /allowFULLOS
EnablePrivilege: AdjustTokenPrivileges failed (Error:0x514)
ERROR: Failed to enable backup/restore privileges.
Check that you are running in a process with elevated privileges.


MBR2GPT: Failed to update ReAgent.xml, please try to manually disable and enable WinRE.は、Windows 回復環境 (Windows RE)の状態が無効になっていることを言っているようですが、気にしなくても良いようです。

>reagentc /info
Windows 回復環境 (Windows RE) およびシステム リセット構成
情報:

    Windows RE の状態:         Disable
    Windows RE の場所:

と無効になっていることを確認し、

C:\WINDOWS\system32>reagentc /enable
REAGENTC.EXE: ブート構成データを更新できません。

となり、有効になりませんでした。
この後の、レガシー BIOS→UEFI の作業で、再起動後、確認すると、有効になっていました。

C:\WINDOWS\system32>reagentc /info
Windows 回復環境 (Windows RE) およびシステム リセット構成
情報:

    Windows RE の状態:         Enabled
    Windows RE の場所:         \\?\GLOBALROOT\device\harddisk0\partition4\Recovery\WindowsRE

レガシー BIOS→UEFI

msinfo32で確認すると、BIOS モードが「レガシ」になっていました。これを「UEFI」にしないと、Windows11 をインストールできません。
既に「UEFI」となっている場合は、レガシー BIOS→UEFI の作業は必要ありません。
BIOS モードが「レガシ」


「仮想マシンの設定を編集する」をクリックします。
「仮想マシンの設定を編集する」をクリック


「オプション」タブをクリックして、「詳細」をクリックし、右側の"ファームウェア タイプ"から、「UEFI」にチェックを入れて、「OK」ボタンをクリックします。 「オプション」タブをクリックして、「詳細」をクリック 「UEFI」にチェック


仮想マシンの暗号化

アクセス コントロールの設定を変更して、仮想マシンの暗号化をする必要があります。
暗号化をしないと、この後の作業のTrusted Platform Moduleデバイスの追加が行えないから必要な作業です。


「仮想マシンの設定を編集する」をクリックします。
「仮想マシンの設定を編集する」をクリック


「オプション」タブをクリックして、「アクセス コントロール」をクリックし、右側の"暗号化"から、「暗号化」をクリックします。
「オプション」タブをクリックして、「アクセス コントロール」をクリック 「暗号化」をクリック


パスワードを入力します。※以降、該当仮想マシンを開いたり、設定を編集するときにここで設定したパスワードが必要になります。
パスワードを入力


数分から数時間かかります。
数分から数時間かかります。


「OK」ボタンをクリックします。
「OK」ボタンをクリック


TPM デバイス追加

TPM 2.0 要件をクリアするために、Trusted Platform Moduleデバイスを追加します。


「仮想マシンの設定を編集する」をクリックします。
「仮想マシンの設定を編集する」をクリック


「追加」をクリックします。
「追加」をクリック


「Trusted Platform Module」をクリックし、「完了」ボタンをクリックします。
「Trusted Platform Module」をクリックし、「完了」ボタンをクリック


Trusted Platform Moduleが追加されたので、パワーオンで、起動します。
パワーオンで、起動


【注意点】

VMware Workstation Pro 16 のバージョンが 16.2 以上であることを確認し、準備万端だったのですが、Trusted Platform Moduleデバイスが表示されませんでした。
Trusted Platform Moduleデバイスが表示されませんでした


Windows10 の仮想マシンが古いバージョンで作成されていたため、ハードウェアの互換性を「Workstation 16.2.x」にする必要がありました。
ハードウェアの互換性を「Workstation 16.2.x」にする1


ハードウェアの互換性を「Workstation 16.2.x」にする2



ハードウェアの互換性を「Workstation 16.2.x」にしたら、タスクバーが透明になり、設定画面の画面がちらつき、正常に映らなくなりました。
正常に映らなくなりました


VMWare Tools の更新が必要でした。
VMWare Toolsの更新


画面の異常有無にかかわらず、VMWare Tools は最新にしておいた方が良いと思われます。


レジストリ追加

Windows11 のプロセッサ要件は、1GHz 以上、2 コア以上、64bit 互換 CPU/SoC(第 8 世代以降の Intel Core、第 2 世代以降の AMD Zen、Qualcomm 7/8 シリーズ以降が基本)ということですが、この要件は満たしていなくても回避できます。


レジストリにAllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPUを登録します。


regeditを起動します。
regeditを起動1


regeditを起動2


HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetupで右クリックして、「新規」→「DWORD(32 ビット)値」をクリックします。
「新規」→「DWORD(32ビット)値」をクリック


値の名前:AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU
値のデータ:1
表記:16進数
を登録します。

AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU登録


以下の内容のテキストファイルをMoSetup.regのようなファイル名で.reg ファイルとして保存し、ダブルクリックでも同じように登録できます。

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup]
"AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU"=dword:00000001

.regファイル1


.regファイル2


【注意点】

レジストリ名称から、Trusted Platform Moduleデバイスの追加が必要無いように思いましたが、レジストリ登録してもデバイスの追加は必要でした。このレジストリ登録は、プロセッサの要件をすり抜けるために必要です。


レジストリ有り&Trusted Platform Module無しの場合

レジストリ有り&Trusted Platform Module無し


レジストリ無し&Trusted Platform Module有りの場合

レジストリ無し&Trusted Platform Module有り



CPU のコア数2個以上の要件は、ここまでの施策をすべて行っても回避できないようでした。

CPUのコア数2個以上の要件1


CPUのコア数2個以上の要件2



メモリ 4GB 以上の要件は、ここまでの施策をすべて行っても回避できないようでした。
メモリ4GB以上の要件



C ドライブ空き容量が 12GB のとき、外部ディスクの選択を迫られ、選択できるディスクが無いため、それ以上先に進めませんでした。(14GB のときは、先に進んだため、空き容量 12、3GB あたりがNGラインのようです。)
Cドライブ空き容量が12GBのとき、外部ディスクの選択1


Cドライブ空き容量が12GBのとき、外部ディスクの選択2


インストーラ起動

Microsoft のサイトから Win11_Japanese_x64v1.iso をダウンロードして、マウントしました。


インストーラ起動1


インストーラ起動2


(途中経過は略)


インストーラ起動3


ヨシ!

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