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Power BIでカレンダーテーブルと折れ線グラフ作成全手順

(更新) (公開)

はじめに

Power BI で DAX 関数で作成したカレンダーテーブルを使い、二本線の折れ線グラフを描いてみました。


"グラフ作成" と言うと、できて当たり前の基本中の基本に思いますが、基本中の基本ですら、鼻歌交じりにとはいかず、詰まるところが多々ある印象でしたので、詰まったところもカバーした全手順をここに記します。


要件は、以下です。
・グラフは1つのグラフに折れ線2本とします。
・実際の売上高と目標売上高の2本とします。
・実際の売上高、目標売上高は各々別テーブルにあるものとします。
・実際の売上高、目標売上高のテーブルは、各々日付データがあるものとします。
・年毎、四半期毎、月毎、日毎にドリルダウン可能とします。
・データの無い日は、売上 0(ゼロ)とします。
・四半期は、1Q=4 ~ 6 月、2Q=7-9 月、3Q=10 月~ 12 月、4Q=1 月~ 3 月 とします。


はじめに、完成状態を示しますと、以下になります。


折れ線2本のグラフ 完成状態 動画


Power BI Desktop バージョン: 2.117.984.0 64-bit (2023年5月)

で説明しています。進化が早いため、この記事と内容が異なっている可能性があります。

この記事に、"Power BIとは" "DAXとは" "Power Query M 数式言語とは" などの説明は一切ありません。

ただし、初めて Power BI Desktop を触った人でも最後までできると思います。

この記事は、ベストプラクティスのつもりはないです。「普通はこのケースでは、そもそもテーブルは一つだよね。」とか、「複合グラフ(折れ線と棒のグラフ)を使うよね。」「普通は、○○するよね。」とかの一般的なセオリーは、一切考慮していません。とにかく、二本線の折れ線グラフを完成させます。


データ作成

まず、以下のようなダミーデータを作成します。
Share Point Online リストに作成します。

この記事では、Share Point Online リスト前提ですが、読み込み対象のデータベースは、エクセルでも SQL Server でも何でも良いです。Share Point Online リストではない場合、データビュー(データモデル)取り込みのところだけ、手順が異なると思いますが、取り込んだ後の手順はこの記事の通りやっていけると思います。

Share Point Online リスト以外の各パターンの手順はこの記事では省略しています。

Share Point Online リストにデータを作成する手順は、省略しています。

別記事「Power Appsのギャラリーでエクセル風 編集可能なグリッドテーブルを作成 1/2」の最初の方にリストにデータを作成する手順がありますので、そちらをご覧ください。

本来、毎日びっしりと数字があったりすると思いますが、現実っぽさは無視しています。


● リスト:売上
Share Point Online リスト上の型は、以下とします。
タイトル列は、非表示にして、使いません。
なお、めちゃくちゃな前提ですが、各月の最初の2日以外、なぜか売上 0(ゼロ)とします。
そして、2022 年 6 月の売り上げデータがなぜか無いものします。


列名
売上日日付と時刻(時間を含める=いいえ)
売上高数値(細かい設定はデフォルトのまま)

売上日売上高
2022/1/1100
2022/1/2150
2022/2/1200
2022/2/2250
2022/3/1300
2022/3/2350
2022/4/1100
2022/4/2150
2022/5/1200
2022/5/2250
2022/7/1700
2022/7/2750
2022/8/1800
2022/8/2850
2022/9/11000
2022/9/21050
2022/10/11100
2022/10/21150
2022/11/11200
2022/11/21250
2022/12/11500
2022/12/21550
2023/1/11800
2023/1/21850
2023/2/11000
2023/2/21050
2023/3/1900
2023/3/2950
2023/4/1900
2023/4/2950
2023/5/11000
2023/5/21050
2023/6/11200
2023/6/21250

● リスト:目標売上
Share Point Online リスト上の型は、以下とします。
タイトル列は、非表示にして、使いません。
なお、各月の最初の2日以外、なぜか目標売上高 0(ゼロ)とします。


列名
目標売上日日付と時刻(時間を含める=いいえ)
目標売上高数値(細かい設定はデフォルトのまま)

目標売上日目標売上高
2022/1/160
2022/1/2130
2022/2/1160
2022/2/2220
2022/3/1260
2022/3/2350
2022/4/180
2022/4/2180
2022/5/1220
2022/5/2240
2022/6/1250
2022/6/2340
2022/7/1670
2022/7/2780
2022/8/1830
2022/8/2890
2022/9/1980
2022/9/21050
2022/10/11140
2022/10/21110
2022/11/11220
2022/11/21270
2022/12/11520
2022/12/21580
2023/1/11820
2023/1/21860
2023/2/11030
2023/2/21030
2023/3/1870
2023/3/2970
2023/4/1920
2023/4/2940
2023/5/11030
2023/5/21070
2023/6/11180
2023/6/21230

データ入力後 Share Point 動画


データ取得

Power BI Desktop を起動して、
別のソースからデータを取得する → をクリックします。

別のソースからデータを取得する


SharePoint Online リスト を選択して、接続 をクリックします。

SharePoint Online リスト 接続

SharePoint リスト もありますが、SharePoint リスト ではありません。


サイト URL[サイトURL]
実装2.0
詳細表示オプション > 表示モード既定 - SharePoint リストの "既定のビュー" に設定されている列を取得します
を選択します。

実装 2.0 表示モード 既定

ここで入力する URL は、リストが存在する Share Point Online サイトです。ホーム を選択すると、URL 欄に表示される URL です。

サイト URLに入力する URL

OK をクリックします。

ここで、実装詳細表示オプション を 上記の選択以外にすると、余計な列がたくさん取り込まれるため、今回の手順になります。

●実装1.0の場合(詳細表示オプションは選択肢が無くなります)

実装1.0の場合

●実装2.0 表示モード:すべて - SharePoint リストから全ての列を取得します の場合

実装2.0 表示モード:すべて - SharePoint リストから全ての列を取得します の場合

読み込み対象のリスト 売上目標売上 をチェックして、読み込み ボタンをクリックします。

読み込み対象のリストにチェックして読み込み

ここで、データの変換 で望みの形に変換できますが、読み込んだ後でも変換できるため、そのまま読み込みます。データの変換 とは、Power Query エディターのことです。Power Query エディターでデータの加工ができるという意味です。「ここで加工しておかないと、後で加工したのと意味が違うのでは?」と思うかもしれませんが、後で加工しても意味は同じです。

データの変換とはPower Query エディターのこと 図

データ調整

ID 列が自動的に1対1でリレーションされるため、
まず、モデルビュー を開いて、リレーション部分を 右クリック > 削除 をクリックします。(選択して DEL キーでも良いです。)

IDのリレーション 削除

Share Point Online の場合は、必要な操作です。

Share Point Online の場合、暗黙的な列として、ID 列が存在します。これが自動的にリレーションされます。あっていれば問題無いですが、今回、同一 ID 同士で関連は無いため、削除します。


データビューでデータを確認します。なお、ID 列は使わないため、削除したいですが、ここでは、無視することにします。

データビューでデータを確認


折れ線グラフ配置

レポート ビューに切り替えて、
視覚化 > ビジュアルにデータを追加する > 折れ線グラフ をクリックして、折れ線グラフビジュアルを配置します。

折れ線グラフビジュアルを配置


今回、他に表示するものがないため、広げます。

ビジュアルを広げる


折れ線グラフのデータを設定します。
注意:ここのくだりは、一旦わざと間違えます。(興味がない場合は、スキップして次の手順へ行ってください。)


配置した折れ線グラフ をクリックして、
X 軸 に 売上日
Y 軸 に 売上高目標売上高
をドラッグ&ドロップして設定します。

Y 軸 に複数設定できます。ただし、単位が同じじゃないとダメです。例えば、金額と数量の場合、単位が異なるため、第 2 Y 軸を使います。

Y 軸 に複数設定

最初は、年表示のため、
↓↓ ボタンでドリルダウンしてみます。

↓↓ボタンでドリルダウン1



さらにドリルダウン



↓↓ボタンでドリルダウン2



さらにドリルダウン



↓↓ボタンでドリルダウン3

・・・お分かりいただけただろうか...。


いろいろ間違っていて、意味不明です。


・「データの無い日は、売上 0(ゼロ)とします。」の要件を満たしません。
目標売上高 の方は自分の日付軸が無いので、Power BI がどうして良いか分からず、全部合計した一本線です。


日付テーブルが必要です。


注意:ここで、X 軸、Y 軸 設定前に巻き戻します。


日付テーブル

売上高 テーブル、目標売上高 テーブル共通の日付軸が必要なため、日付テーブル(カレンダーテーブル)を作成します。

日付テーブル(カレンダーテーブル)を作成 イメージ図

日付テーブル(カレンダーテーブル)をPower Query M言語で作成するという手もありますが、そちらの方法は、採用せず、DAX でやっていきます。


データビュー > テーブル ツール > 新しいテーブル をクリックします。

テーブル ツール 新しいテーブル



新しいテーブル DAX入力

入力内容
Calendar =
VAR BaseCalendar = CALENDAR(MIN('売上'[売上日]), MAX('売上'[売上日]))//売上高 テーブルの最初の日付~最後の日付でカレンダー作成

RETURN
ADDCOLUMNS(
    BaseCalendar,
    "Year", FORMAT([Date], "yyyy年", "ja"),
    "Month", FORMAT([Date], "mm月", "ja"),
    "YearMonth", FORMAT([Date], "yyyy年mm月", "ja"),
    "YearMonthDay", FORMAT([Date], "yyyy年mm月dd日", "ja"),
    "FiscalYear", FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 4, YEAR([Date]), YEAR([Date]) - 1), "0000年度", "ja"),
    "FiscalQuarters", FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 10, 3, if(MONTH([Date]) >= 7, 2, if(MONTH([Date]) >= 4, 1, 4))), "0Q", "ja")//1Q=4~6月、2Q=7-9月、3Q=10月~12月、4Q=1月~3月
)

コピペして、エンターキーで作成です。入力中に改行するときは、SHIFT + エンターです。必ず、作成したいテーブル名 = で始まります。

DAX の意味の説明は省略します。下記参考サイト等を見てください。

日付テーブルを作成する https://zenn.dev/bi_knowledge/articles/a88806a1e7acbb


Date 列の見出しにあるアイコンをクリックして、昇順で並び替え クリックにて、日付順にソートしておきます。

昇順で並び替え 日付順にソート 動画


モデル ビュー に移動して、
売上 テーブル 売上日 列を Calendar テーブル Date 列へドラッグして、リレーションを作成します。
同様に、目標売上 テーブル 目標設定日 列を Calendar テーブル Date 列へドラッグして、リレーションを作成します。

モデル ビュー リレーションを作成 動画

同じ日付で何回も売り上げデータがある場合、売上日 * : 1 Calendar のリレーションになります。


これで、表にして表すと、以下のような関係になりました。(あくまでイメージです。)

日付テーブル(カレンダーテーブル)を作成 イメージ図


X 軸 Y 軸設定その1

注意:ここのくだりは、一旦わざと間違えます。(興味がない場合は、スキップして次の手順へ行ってください。)


折れ線グラフを新規配置したところからスタートです。


X 軸 に Date
Y 軸 に 売上高目標売上高
をドラッグ&ドロップして設定します。

X 軸、Y 軸設定


↓↓ ボタンでドリルダウンで年から月の表示に移動します。

↓↓ボタンでドリルダウンで年から月の表示に移動



2022 年、2023 年の 6 月が合計されている

それっぽいグラフになりました。


しかし、これ、売上高の 2022 年 6 月は データ無し=0 のはずが、計上されています。"何年の何月" ではなく、"全ての年の何月" で集計されていて、2022 年、2023 年の 6 月が合計されています。


念のため、右クリック > テーブルとして表示
で見ると、明らかに 0 ではないことが分かります。

右クリック→テーブルとして表示



テーブルとして表示クリック後


さらに、月の表記が英語で、"1 月", "2 月"...と日本語に変えられません。


カレンダーテーブルと見ると、データ型:日付と時刻 の Date 列に自動的に日付の階層が作られています。これのおかげで X 軸 に Date 列を設定するだけで、年 → 四半期 → 月 → 日 とドリルダウンできるのですが、月の表記を変える設定がありません。この理由だけでも、カレンダーテーブル作成、あるいは、その他の何らかの処置は、ほぼ必須なのではないでしょうか。

月の表記を変える設定が無い

自動的に日付の階層が作られるのを OFF にするには、ファイル > オプションと設定 > タイム インテリジェンス > 新しいファイルの自動の日付/時刻 のチェックを外します。

自動的に日付の階層が作られるのを OFF

さらに、日にドリルダウンすると 1 日、2 日だけのグラフになります。これは、今回 1 日、2 日しかデータが無いので、そうなるのですが、3 日から 31 日まで 0 で良いので、表示に加えたいです。
X 軸 > Date 列のメニュー > データのない項目を表示する としても変わりません。
日のデータが 1 ~ 31 までになりますが、null が入っているから描画したくないようです。

データのない項目を表示する としても変わらない 動画


null ではなくて、0 を入れたいです。
売上高列をそのまま Y 軸にドラッグ&ドロップすると、"売上高 の合計" になり、自動的に合計が計算された Y 軸 になります。これは、データ無し=0 のように変更できません。
そのため、自分で 合計を計算し、データ無しの場合、0 のメジャーを作成します。


データペイン > 売上を右クリック > 新しいメジャー をクリックし、以下のメジャーを作成します。

売上合計メジャー
売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('売上'[売上高])
) + 0

参考:Power BI Desktop で欠損がある時系列データの折れ線グラフを連続にする https://qiita.com/tkeydll/items/0efee9b44cfe3f77e154


同じように、目標売上 の方も、
データペイン > 目標売上を右クリック > 新しいメジャー をクリックし、以下のメジャーを作成します。

目標売上合計メジャー
目標売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('目標売上'[目標売上高])
) + 0

作成したメジャー 売上合計目標売上合計Y 軸 に設定します。

作成したメジャー 売上合計 目標売上合計 をY軸に設定 動画


右端が 35 になっているとかは置いといて、3 日から 31 日まで 0 ができました。


ところで、また、年とか、月とか関係無く、1 は、月 1 日の合計、2 は、月 2 日の合計になっています。

全年月1日,2日の合計になっている


何が起きているのでしょうか?
SQL が分かる場合、以下のようになっていると考えると、わかりみが深いです。
GROUP BY 日 の 日 は、6 月 1 日でも 1 だし、7 月 1 日でも 1 です。
SQL になじみのない方は、無視してください。

SELECT, SUM(売上高) AS 売り上げの合計, SUM(目標売上高) AS 売り上げの合計
FROM Calendar、売上、目標売上が合体したテーブル(めんどくさいので詳細は省略)
GROUP BY-- 注意:nullだったら、0の処置はめんどくさいので、表現していません。

...ということで、自動的に作られた日付の階層を使うのはやめて、仕切り直します。(データの無い日の売上を 0 にするメジャーは使います。)


X 軸 Y 軸設定その2

注意:ここのくだりは、一旦わざと間違えます。スキップして次の手順へ行ってください。)


自動的に作られた日付の階層を使うのはやめて、
Year
FiscalQuarters
YearMonth
YearMonthDay
を使います。


X 軸 に 上から
Year
FiscalQuaters
YearMonth
YearMonthDay


Y 軸 に
売上合計(メジャー)
目標売上合計(メジャー)
をドラッグ&ドロップして設定します。


メジャーは、以下のように作成したものとします。

売上合計メジャー
売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('売上'[売上高])
) + 0

目標売上合計メジャー
目標売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('目標売上'[目標売上高])
) + 0

X 軸 に 上から
Year
FiscalQuaters
YearMonth
YearMonthDay
と積み重ねて設定すると、階層構造と判断されて、ドリルダウン、ドリルアップが可能になります。


ドリルダウンで年から四半期の表示に移動します。(↓↓ の二股になっている方 階層内で1レベル下を全て展開します で移動します。)
それっぽいグラフです。

ドリルダウンで年から四半期の表示に移動


しかし、2023 年のところ、1Q の次が 4Q になっています。 並べ替え設定がおかしいんだろうと思って、・・・(ミートボールメニュー) > 軸の並べ替え > Year FiscalQuarters 昇順で並べ替え としても状況は変わりません。

1Q の次が 4Q になっている


結論としては、最上位に年が使われているからこうなっていました。最上位は、年度を使うべきでした。


2023 年, 4Q は、2023 年 1 月 1 日~ 2023 年 3 月 31 日のことで、2023 年, 1Q(2023 年 4 月 1 日~ 2023 年 6 月 30 日) の前に来ないとおかしいですが、テーブルとして表示 を見ると、そんな情報は無く Power BI 的には分かりません。
それ以前に、人が見てもひっかけ問題のように分かりにくいです。最上位に年度を使うべきでした。


しかし、なぜこのソート結果なのでしょうか?
SQL が分かる場合、以下のようになっていると考えると、わかりみが深いです。
SQL になじみのない方は、無視してください。

SELECT Year || FiscalQuaters AS YearFiscalQuaters, SUM(売上高) AS 売上合計, SUM(目標売上高) AS 売上合計
FROM Calendar、売上、目標売上が合体したテーブル(めんどくさいので省略)
GROUP BY YearFiscalQuaters
ORDER BY YearFiscalQuaters
-- 注意:nullだったら、0の処置はめんどくさいので、表現していません。

...ということで、年度を使うように、仕切り直します。


X 軸 Y 軸設定その3

X 軸 に 上から
FiscalYear
FiscalQuaters
YearMonth
YearMonthDay


Y 軸 に
売上合計(メジャー)
目標売上合計(メジャー)
をドラッグ&ドロップして設定します。

X軸Y軸設定


ここで、初期状態の FiscalQuarters(1Q, 2Q, 3Q, 4Q)を使うと、FiscalQuarters まで↓↓ でドリルダウンしたときに、例えば、1Q の値が 2022 年度 1Q, 2023 年度 1Q を集計してしまうため、年度表記有りの四半期に変更します。(なぜそうなるのかは、X 軸 Y 軸設定その1 の 日 と同じ理屈です。)


SQL で言うと、こうです。
SQL になじみのない方は、無視してください。

SELECT 四半期, SUM(売上高) AS 売り上げの合計, SUM(目標売上高) AS 売り上げの合計
FROM Calendar、売上、目標売上が合体したテーブル(めんどくさいので詳細は省略)
GROUP BY 四半期
-- 四半期は、1Q or 2Q or 3Q or 4Q です。
-- 注意:nullだったら、0の処置はめんどくさいので、表現していません。

CalendarテーブルDAX入力

Calendar =
VAR BaseCalendar = CALENDAR(MIN('売上'[売上日]), MAX('売上'[売上日]))//売上高 テーブルの最初の日付~最後の日付でカレンダー作成

RETURN
ADDCOLUMNS(
    BaseCalendar,
    "Year", FORMAT([Date], "yyyy年", "ja"),
    "Month", FORMAT([Date], "mm月", "ja"),
    "YearMonth", FORMAT([Date], "yyyy年mm月", "ja"),
    "YearMonthDay", FORMAT([Date], "yyyy年mm月dd日", "ja"),
    "FiscalYear", FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 4, YEAR([Date]), YEAR([Date]) - 1), "0000年度", "ja"),
    //"FiscalQuarters", FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 10, 3, if(MONTH([Date]) >= 7, 2, if(MONTH([Date]) >= 4, 1, 4))), "0Q", "ja"),//1Q=4~6月、2Q=7-9月、3Q=10月~12月、4Q=1月~3月
    "FiscalQuarters", FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 4, YEAR([Date]), YEAR([Date]) - 1), "0000年度", "ja") & " " & FORMAT(if(MONTH([Date]) >= 10, 3, if(MONTH([Date]) >= 7, 2, if(MONTH([Date]) >= 4, 1, 4))), "0Q", "ja")//2022年度 1Q, 2022年度 2Q...
)

X 軸 Y 軸設定その2 のときの並び順の問題は、実はこの措置だけで解決します。


メジャーは、以下のように作成したものとします。

売上合計メジャー
売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('売上'[売上高])
) + 0

目標売上合計メジャー
目標売上合計 =
CALCULATE(
  SUM('目標売上'[目標売上高])
) + 0

X 軸 に 上から
FiscalYear
FiscalQuaters
YearMonth
YearMonthDay
と積み重ねて設定すると、階層構造と判断されて、ドリルダウン、ドリルアップが可能になります。


ドリルダウンで年から四半期の表示に移動します。
それっぽいグラフです。

ドリルダウンで年から四半期の表示に移動


ここで、順番がおかしい場合、
・・・(ミートボールメニュー) > 軸の並べ替え > FiscalYear FiscalQuarters 昇順で並べ替え
にて、並び替えが必要です。

軸の並べ替え 昇順で並べ替え


とりあえずは、問題なさそうです。

問題無い折れ線グラフ完成 動画


表示内容調整

タイトル

このままでは見た目が雑ですので、見た目の調整に入ります。


タイトルの
「FiscalYear, FiscalQuaters, YearMonth および YearMonthDay による 売上合計 および 目標売上合計」
のところを
「年度, 四半期, 年月 および 年月日 による 売上合計 および 目標売上合計」
にします。

タイトル変更

タイトルは、ドリルダウン状況によって可変です。階層内で 1 レベル下を全て表示します で最下層まで下げたときのタイトルです。


X 軸の
FiscalYear、FiscalQuaters、YearMonth、YearMonthDay
をダブルクリックして、
年度、四半期、年月、年月日
に変更します。

X 軸 をダブルクリックして年度、四半期、年月、年月日に変更

このグラフのタイトル部分は、

視覚化 > ビジュアルの書式設定 > 全般 > タイトル

でタイトルを変更できますが、変更した場合、ドリルダウン、ドリルアップに追随しなくなり、固定文字列になります。

おそらく、現時点では、↓↓ や 二股に分かれている ↓↓ に関しては、ドリルダウン状況に応じて、タイトルを変更する手段がありません。

参考:https://community.fabric.microsoft.com/t5/Desktop/Dynamically-change-titles-by-using-a-hierarchy-level/m-p/2816516

に関しては、フィルタが変わるため、DAX でフィルタを捉えてタイトルを変更できると思われます。↓↓ や 二股に分かれている ↓↓ でもタイトルに何も設定していないと、自動的に切り替わります。また、X 軸表示(グラフ一番下の太文字)も何も設定していないと自動的に切り替わります。


次のレベルに展開 OFF

二股に分かれている ↓↓次のレベルに展開階層内で 1 レベル下を全て表示します)の機能を使用すると、X 軸の部分が多段表示されて、見た目がうるさい(あくまで個人の感想です。)ため、使用できないようにします。


視覚化 > ビジュアルの書式設定 > 全般 > ヘッダー アイコン > アイコン > 次のレベルに展開
OFF

アイコン 次のレベルに展開 OFF

ラベルの連結を OFF にして、X軸ラベルを繋げて一段表示にもできますが、今回は、この設定を使用しません。

視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > X 軸 > > ラベルの連結

OFF


なお、これは、Power BI サービス(Web 版 Power BI)のレポートで反映されます。Power BI Desktop では設定しても変化はありません。


今回の場合、Power BI サービス(Web 版 Power BI)のレポートは、以下のようになります。


次のレベルに展開 ON の場合
次のレベルに展開ONの場合のPower BIレポート



次のレベルに展開 OFF の場合 次のレベルに展開OFFの場合のPower BIレポート


X 軸

X 軸のタイトルに現在のドリルダウン状況が表示されますが、タイトルで分かるため、非表示にします。

X 軸のタイトル非表示


視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > X 軸 > タイトル
OFF

X 軸 タイトル OFF


マーカー

各頂点に丸印を付けます。 視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > マーカー
ON

ビジュアル マーカー ON


マーカーは、形や大きさ、色が変えられますが、そのまま丸印にします。

マーカーはそのまま丸印


データラベル

各頂点に値を表示します。
視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > データラベル
ON

ビジュアル データラベル ON


初期状態では値が自動的に K(千)で表示されたりするため、値をそのまま表示させることにします。
視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > データラベル > > 表示単位
なし

ビジュアル データラベル 値 表示単位 なし


Y 軸の K

Y 軸の単位が自動的に K(千)なったりしますので、こちらも常に値そのものとします。
視覚化 > ビジュアルの書式設定 > ビジュアル > Y 軸 > > 表示単位
なし

Y 軸の単位 ビジュアル データラベル 値 表示単位 なし


ツールチップの値

グラフの上でマウスオーバーして、ツールチップの値を表示させると、.00 と小数点以下2桁表示されます。これをなくします。 ツールチップの値 小数点以下


メジャーの書式を設定します。


データ > 売上合計(メジャー選択) > メジャー ツール > 書式
整数


データ > 売上合計(メジャー選択) > メジャー ツール > 書式 > カンマ クリック
として、整数(小数点表示無し)かつ、3桁毎にカンマありとします。


目標売上合計メジャーの方も同様にします。
データ > 目標売上合計(メジャー選択) > メジャー ツール > 書式
整数


データ > 目標売上合計(メジャー選択) > メジャー ツール > 書式 > カンマ クリック

メジャー ツール 書式 カンマ


Theme

色を調整していきます。背景色とか線の色を変更できるのですが、今回は、テーマを変更するだけで終えようと思います。


表示 メニューで、テーマ「イノベーション」のところをクリックして、暗めのテーマのものを選択します。

テーマ イノベーション


テーマ イノベーション適用後


まあまあ良いです。(あくまで個人の感想です。)


テーマのギャラリー をクリックすると、
https://community.fabric.microsoft.com/t5/Themes-Gallery/bd-p/ThemesGallery
が Web ブラウザで開きます。

テーマのギャラリー


ここからテーマを選択できます。


今回は、
「Neumorphism Theme  https://community.fabric.microsoft.com/t5/Themes-Gallery/Neumorphism-Theme/td-p/3182006」の
NeumorphicTheme_ver4.json を適用してみます。

NeumorphicTheme_ver4.jsonダウンロード


テーマは、json ファイルです。


テーマを参照 にて、ダウンロードしたテーマの json を読み込みます。

テーマの json を読み込むと、エラーになることがあります。バージョンの違いで、エラーになるようです。この場合、json の該当箇所を適切な値に書き換えるかエラーになった項目の削除が必要になります。

テーマの json を読み込むと、エラーになることがある

折れ線2本のグラフ 完成状態 動画


完成!


ヨシ!


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